オウルナイト
前回のブログから大分日が空いたけど、覚えてる人いるでしょうか?
思ったより周りの人から、
「続きまだ書かんの?」
と言われて、そこそこ需要があったっぽいので、今月はもうちょい書いていきたいと思います。
では二冊目
【オウルナイト】
作者:高津カリノ(敬称略)
このマンガを一行で説明すると、
《あるキャバクラ(みたいな所)で働く、変人たちが織り成す(ラブ)コメディマンガ》
です。
このマンガのオススメポイントは大きく3つ
①出てくるキャラのクセが強い
ストーリーの導入は、
『主人公がある日夜の店がある通りを歩いていると、ドレスを着た女の子に札束ではたかれ、そのお詫びがしたいとイケメンホストにお店に誘われ、実は今までのはバイトを捕まえる為の小芝居であり、なんやかんやでそのお店で働く事となる』
というある意味真っ当な始まりかたをします。
だがしかし、高津先生と言えば
【WORKING!!】(ファミレスに集ったクセのあるキャラたちが、ドタバタラブコメをするほとんど働かないお仕事マンガ)
や、
【サーバント×サービス】(お役所に関わる様々なキャラたちが、ドタバタラブコメをするほとんど働かないお仕事マンガ)
といったアニメ化もした大人気マンガを描いてきた漫画家であり、普通に見えるキャラほどどんどん変になるのでお馴染みなのです。
案の定今回の主人公も本性を隠しており、1話のラストで明かされるので、今回はネタバレを考慮しそこは伏せておきます。
が、今までの主人公の中でも自己肯定力が非常に強いため、巻き込まれ系の主人公よりも積極的に他のキャラと絡んでいくので、話がガンガン進んで1巻を読み終わる頃にはどのキャラにも愛着が湧いてくるのは流石です。
一例として
『客にガチ恋しちゃったナンバーワンホスト』
『真面目過ぎて接客中に連立方程式や税金について教えるキャバ嬢』
『拗らせ過ぎてイケメンを弄ることが生き甲斐な女性嫌いのホストの太客(男性)』
という、店員も客も一癖二癖ある性格をしており、現状一番恋愛ベクトルを出してるホスト君が、一番大変そうな相手に恋してるのも、最早安心感がありますね。
②4コマ形式の一話完結ギャグだから読みやすい
ウェブ時代からずっと4コマで話を作っているためか、1ページ1ページだけで面白く、その中でも前半に前振りをして後半で回収するという話作りのスタイルが確立してます。
それゆえ毎月読んで面白く、単行本で通して読んで更に面白いという、一番理想的なマンガの形をしているのです。
つまりどういうことかというと、
「このマンガ、最初のうちは伏線張りまくりで話も全然分かりにくいけど、読み進めていったらホンマに面白いから」
や
「このマンガ最初の勢いめっちゃよくて、途中からはたくさんキャラ出て来て主人公ほぼ出てこないけど、むしろサブキャラのほうがカッコいいしオススメ」
といった、連載作品にありがちなマンネリを感じにくい、というメリットがあるのです。
③日常系に通じる、キャラの可愛さ・変わらぬ日常・ドタバタコメディの三拍子
連載してるのは【月刊少年ガンガン】ですが、きらら作品のような
・女の子が可愛い
・舞台設定が決まれば、基本皆そこに集まって話が進む
・人を不快にさせないゆるい笑い(ただし男性陣には比較的容赦無しw)
という要素を持っており、頭を使わず楽しめる作品になってます。
今回の作品から、ひとコマが横長になっており、その分キャラのデフォルメが少なくややこしいドレスや衣装がしっかり描かれている点は、
「夜のお仕事の分しっかり絵を描こう」
と思われたのか、
「折角だからいっぱいお胸を描こう」
と思われたのかなと、若干変化を感じました。
ただ、軸となる部分は変わっていないので、WORKING!!を楽しめた人なら絶対面白いと思います。
蛇足ですが、写真で四冊もあるのはそれぞれアニメイト・ゲーマーズ・とらのあな・メロンブックスと特典が違うので買ったものです。
オタクのコレクター欲も満たしてくれる良作品、お好きなお店で一冊どうぞ。