いろどり高校合唱部より
気がつけばもうすでに3月
このペースでいくとひと月に一冊しか紹介せんブログという、時代に三周抜かしくらいされてる遺物になりかねんすね。
前回ツイートで挙げた中から出そうかなとか言いながら、今回も今日買ったマンガから推したいやつを一冊いきます。
では3冊目
【いろどり高校合唱部より】
作者:丸美甘(敬称略)
このマンガを一行で説明すると、
《アニソン大好きオタクぼっちな主人公が、合唱部に勧誘されて皆で歌う楽しさに目覚めていく、部活系青春マンガ》
になります。
このマンガのオススメポイントは3つ
①出てくるキャラがカワイイ
この作品の主人公含め、登場人物は全員女の子なんですが、
・アニソンが好きすぎて一人カラオケでOP再現したり12時間ぶっ通しで歌ったりしちゃう、テンプレオタクなリアクション過多主人公
・合唱にストイック過ぎて行動も発言もキツイツンデレ女王様気質の部長
・見た目も正確もふわふわお嬢様で部長をフォローしてるのに、歌うのは低音ボイパな副部長
と、どの子もしっかりキャラたってて良いです
が、特に1巻では主人公に焦点を当ててるので、ずっとぼっち状態だった主人公が合唱部の為に頑張る姿を素直に応援したくなるのです。
丸美甘先生は過去に
【生徒会のヲタのしみ。】(隠れオタクの主人公が生徒会に勧誘されるが、生徒会メンバーは全員ガチオタで、オタバレしないように頑張る?話)や、
【女が苦手なヤンキーと少女の話】(見た目は派手だが硬派なヤンキーの主人公と、その主人公に惚れた見た目は幼いちっちゃな同級生ヒロインとの、一歩一歩距離を縮める恋愛話)
といった作品も書いており、特にオタク描写がノリノリで、
『やっぱりこういうキャラ描かせたら天下一品』
だなと、改めて思いました。
②ギャグテイストが強め
この作品はどちらかというと部活系マンガといってもゆるめで、出てくる歌も今のところオリジナルばかりです。
だから『合唱ってこんな感じです』って描くより、きらら的なわいわい部活してる描写がメインになってます。
だけどその分デフォルメが強く、主人公は姿や表情も千変万化していて、コメディとして肩の力を抜いて楽しめる作品です。
蛇足ですが、合唱やアカペラの部活物マンガとしては、『げんしけん』の作者が描かれた
【はしっこアンサンブル】(工業高校が舞台で声が低すぎるのがコンプレックスな主人公と、工業高校で合唱部を作ろうとする男の子とのやがて高校全体を巻き込む青春マンガ)
が、実際の曲を使ったりボイストレーニング等音楽的要素をしっかり書いてたりしてるので、興味あるかたは是非。
③絵が良い
これは音楽をテーマにしてるマンガ共通の課題なんですが、歌う描写をいれる際
『歌が上手いということを絵だけで納得させなければならない』
という、非常に難しい表現を求められます。
その説得力ある一枚絵を、大ゴマでしっかり描いてくれているので、いわゆる
『天才じゃったか……!』
みたいな、モブによいしょをさせる必要なく、歌の表現を理解できるのです。
丸美甘先生は初作品が4コママンガだったので、その表現力の向上にとても感動しました。(謎の古参アピール)
まぁ冗談はおいといて、主人公の能力が定まってきたので、是非今後は他のキャラの掘り下げや何故合唱部を作ったのかといった所を見ていきたいですね。
オウルナイト
前回のブログから大分日が空いたけど、覚えてる人いるでしょうか?
思ったより周りの人から、
「続きまだ書かんの?」
と言われて、そこそこ需要があったっぽいので、今月はもうちょい書いていきたいと思います。
では二冊目
【オウルナイト】
作者:高津カリノ(敬称略)
このマンガを一行で説明すると、
《あるキャバクラ(みたいな所)で働く、変人たちが織り成す(ラブ)コメディマンガ》
です。
このマンガのオススメポイントは大きく3つ
①出てくるキャラのクセが強い
ストーリーの導入は、
『主人公がある日夜の店がある通りを歩いていると、ドレスを着た女の子に札束ではたかれ、そのお詫びがしたいとイケメンホストにお店に誘われ、実は今までのはバイトを捕まえる為の小芝居であり、なんやかんやでそのお店で働く事となる』
というある意味真っ当な始まりかたをします。
だがしかし、高津先生と言えば
【WORKING!!】(ファミレスに集ったクセのあるキャラたちが、ドタバタラブコメをするほとんど働かないお仕事マンガ)
や、
【サーバント×サービス】(お役所に関わる様々なキャラたちが、ドタバタラブコメをするほとんど働かないお仕事マンガ)
といったアニメ化もした大人気マンガを描いてきた漫画家であり、普通に見えるキャラほどどんどん変になるのでお馴染みなのです。
案の定今回の主人公も本性を隠しており、1話のラストで明かされるので、今回はネタバレを考慮しそこは伏せておきます。
が、今までの主人公の中でも自己肯定力が非常に強いため、巻き込まれ系の主人公よりも積極的に他のキャラと絡んでいくので、話がガンガン進んで1巻を読み終わる頃にはどのキャラにも愛着が湧いてくるのは流石です。
一例として
『客にガチ恋しちゃったナンバーワンホスト』
『真面目過ぎて接客中に連立方程式や税金について教えるキャバ嬢』
『拗らせ過ぎてイケメンを弄ることが生き甲斐な女性嫌いのホストの太客(男性)』
という、店員も客も一癖二癖ある性格をしており、現状一番恋愛ベクトルを出してるホスト君が、一番大変そうな相手に恋してるのも、最早安心感がありますね。
②4コマ形式の一話完結ギャグだから読みやすい
ウェブ時代からずっと4コマで話を作っているためか、1ページ1ページだけで面白く、その中でも前半に前振りをして後半で回収するという話作りのスタイルが確立してます。
それゆえ毎月読んで面白く、単行本で通して読んで更に面白いという、一番理想的なマンガの形をしているのです。
つまりどういうことかというと、
「このマンガ、最初のうちは伏線張りまくりで話も全然分かりにくいけど、読み進めていったらホンマに面白いから」
や
「このマンガ最初の勢いめっちゃよくて、途中からはたくさんキャラ出て来て主人公ほぼ出てこないけど、むしろサブキャラのほうがカッコいいしオススメ」
といった、連載作品にありがちなマンネリを感じにくい、というメリットがあるのです。
③日常系に通じる、キャラの可愛さ・変わらぬ日常・ドタバタコメディの三拍子
連載してるのは【月刊少年ガンガン】ですが、きらら作品のような
・女の子が可愛い
・舞台設定が決まれば、基本皆そこに集まって話が進む
・人を不快にさせないゆるい笑い(ただし男性陣には比較的容赦無しw)
という要素を持っており、頭を使わず楽しめる作品になってます。
今回の作品から、ひとコマが横長になっており、その分キャラのデフォルメが少なくややこしいドレスや衣装がしっかり描かれている点は、
「夜のお仕事の分しっかり絵を描こう」
と思われたのか、
「折角だからいっぱいお胸を描こう」
と思われたのかなと、若干変化を感じました。
ただ、軸となる部分は変わっていないので、WORKING!!を楽しめた人なら絶対面白いと思います。
蛇足ですが、写真で四冊もあるのはそれぞれアニメイト・ゲーマーズ・とらのあな・メロンブックスと特典が違うので買ったものです。
オタクのコレクター欲も満たしてくれる良作品、お好きなお店で一冊どうぞ。
鍋に弾丸を受けながら
「好きなマンガは?」と聞かれたら、
「ジャンル毎か発行雑誌毎かでも違うので3日くれ」
と答える、人より少しだけマンガが好きなオタク
それが自分です。
そんなわけで、普段から色々マンガを読む中で
「これめっちゃ面白いやん」
「読んだことない人いたら損とちゃう?」
「ていうか全人類読んで欲しい」
と自分が感じたマンガを、備忘録を兼ねて折角なのでオススメしていきたいと思います。
記念すべき一冊目は
【鍋に弾丸を受けながら】
原作:青木潤太朗 作画:森山慎(敬称略)
このマンガを一行で説明すると、
《原作者が、実際に世界中のヤバイ場所で、ヤバイほど美味いもんを食べてきた思い出を、二次元的に美化して語るグルメエッセイマンガ》
になります。
このマンガのオススメポイントは大きく3つ
①原作者の実体験がヤバイ
すでに何度も出てきてるこの『ヤバイ』という表現ですが、これをもう少し詳しく書くと
『素人が軽く手を出すには危険過ぎる、良い子は真似しないでね』
レベルになります。
軽く説明するだけでも
・イタリアンなヤのつく方御用達の店
・ワニが佇むアマゾン川のほとり
・南米のスラム街の一角
と、まるでBLACK LAGOONのロアナプラにいるような治安の悪さ。
これがノンフィクションて言うんだからそれだけでもう面白いし、原作者の交遊関係の広さに驚かされます。
丸腰では絶対に行きたくないけど、知識として追体験したくなるこのシチュエーションは、読んでて思わずニヤリと笑けてくるのです。
余談ですが、原作者は他に
【℃りけい。】(理系オタクの女子高生たちがわちゃわちゃする日常系、全7巻)
【また来てねシタミさん】(女子高生殺し屋が日本全国の特産物を使って悪人を成敗する話、全2巻)
なども書いてはるので興味あれば是非。
特に【シタミさん】は美少女・ご当地グルメ・ブラックジョークという意味で近い部分があり、今回のマンガで
「こういう話が書きたかったんやろなぁ」
と改めて思いました。
②出てくる料理が思わず食べたくなる
現状マンガに出てくるのは海外の料理ではあるものの、
・焚き火で丸ごと焼き上げたローストビーフ
・溢れんばかりの肉がパンパンに挟まったサンドイッチ
・取れたて3秒な完熟フルーツを絞ったジュース
といったジャンクなものや肉料理といった『味の想像がしやすい』食べ物がメインであるため、
「自分が今まで食べた〇〇の最強バージョンってことか」
とイメージでき、
「実際に自分も現地に行きたいなー」
となります。
が!そこで前述の『ヤバイ』部分が壁となり、『簡単に食べることができない』というスパイスが効いてくるのです。
例えるなら
『一人で西成の居酒屋に入り、そこでおっちゃんと仲良くなって、おっちゃんちで食べさせてもらう手料理』
みたいなハードルの高さ。(あんま美味しそうに聞こえへんなこれ)
③料理やキャラの描写が上手い
このマンガの設定として、
『原作者は二次元が好きすぎて、自分含め全員美少女に見える』
という手法のため、女の子キャラしか出ません。
作画の森山先生はこれが初単行本だったと記憶してますが、まどマギやデレマスの同人を描くなど可愛い女の子はもともと上手い人のため、絵の部分としてはすでに合格点。
更にグルメマンガの鉄則である
『読んでて思わず食べたくなる』
料理の絵もバッチリです。
ただ、個人的に推したいのは海外の風景で、今のご時世特に旅行が難しい中、開放的な町並みや暗がりの空気の違う感じがしっかり伝わってくるので、ちゃんとこのマンガでやりたい
『危険な場所ほど美味しい食べ物がある』
というコンセプトが絵でもわかるのです。
以上、完全にオタクが早口でしゃべってる感じの文になりましたが、少しでも興味が持てたなら幸いです。